初めて自我を持ったその日から、世界は僕に冷たく、僕の伸ばす手を振って痛めつけるのです。

好きな物ほど取り上げられ、ぼろぼろになって帰ってきます。錆びついて鈍い針に、変色しきった糸を通し、古くなった布をあてがい、悲しげに目を細めて縫うのです。

不思議と泣いたことはありませんでした。母の胎内にいた頃にうっかり涙腺を作る細胞を落としたのでしょうか?

感情があまり表に出ない方で、泣いたり、笑ったり、怒った記憶は無いです。もはや、感情が無いのかもしれませんね。