「私は、お姉様みたいに、結婚するのは、嫌。」

私は、お姉様とは、違う道を行きたい。
全てが違う、あの娘とは。

「常磐………まだ、私が決めたことではないのだが、そう言うと思うておった。もし、お前が良いと思うならば………」


その日のうちに、お父様は、新しい衣裳をいくつも仕立てさせた。

私の夢を、お父様は、叶えて下さった。ああ、ありがたくて。

「姫様が、典侍ですか。」

女房がそう、言った。
そう、私は、近い内から、典侍として出仕することとなったのだ。