しれっと言ったが、わりとお姉様は起こっている。

「貴女のせいで、台無しよ!」

また顔を伏せて、泣き出した。
泣き虫姫が。


その夜、お姉様は悪夢を見た。

自分とそっくりな死装束を着た娘が、立っていたとか。

お姉様に心当たりは無かったらしいけど、お母様は分かったみたいね。

その娘、実はお姉様の双子。
貴子、と言う名前の女だったけれど、生まれる前に死んでしまったそうよ。

『貴女ばかり、幸せななるようね。羨ましい。』