R Y U S E I




「……ハル?
待ってた、じゃねーよ。
あんまり、私に迷惑かけんなって
昔に散々言ったよね?!」



それでもハルはニコニコ笑ったまま。

…そう。
今日、蘭皇が攻めてきたのも
全部ハルがやったこと。


正直、こいつらは族なんかに全く
興味はない。
全国No.2っていうのだって、
こいつらが昔、丁度いい溜まり場を
見つけたと言って乗っ取った族が
この全国No.2の蘭皇だったってだけ。


正直、雷神なんかはこいつらの
足元にも及ばないだろう。


蘭皇を乗っ取ってからは何も
せずにぐーたらしてたはずなのに。



「だって、くーがいつの間にか
雷神とか言うクズどものところに
いたから」


おかしいでしょ?
くーは俺のなのに。
そう言ってクスッと笑うハルは
だいぶ狂ってる。



「……私、ハルのものに
なった覚えないからね。

雷神にいるのだって、ワケありで
1ヶ月だけだから。
あんまり面倒事を増やさないで」



「でも、アイツらくーのこと
嫌いとかふざけたこと言ってるでしょ?
俺、絶対許せない」



「…ハル?
何でそんなことを知ってるの?


……まさか、また監視カメラとか
盗聴器をつけたなんて言わないよね?」



私はにっこり笑ってハルを
見据えた。



「だって、くーがなかなか俺に
会いに来てくれないのが悪いんでしょ?

大丈夫、盗聴器や監視カメラは
雷神のクズ共にしかつけてないから」




ハルは悪びれもなくそう言ってのけた。