「……よし」
野暮用を済ませてから帰ろう。
そう言って向かった先は
大きな倉庫。
そこには蘭皇と書かれている。
いつ見てもこの倉庫は
めちゃめちゃデカい。
そりゃもう、雷神なんかとは
比べもんになんないくらいに。
見つからないよう裏口から入って、
目の前には幹部室。
勿論、迷わず開けるとそこには
大金をかけて麻雀しているバカたち。
「久遠じゃん!!!
ひっさしぶり!!!!」
振り返ってそう言ったのは、
笹山旬(ささやましゅん)。
テンション高いのがうざい奴。
「…久遠!
最近遊びに来てくんねーから
まじ寂しかった」
こいつは神崎弥生(かんざきやよい)。
見た目はイケメンなのに犬みたいなやつ。
「久遠も麻雀やろーぜ?」
そう言って、悪い顔しているのは
副総長の堂本氷雨(どうもとひさめ)。
いつもなにか企んでる奴。
「……待ってた」
この優しく笑っている奴が
総長の、篠宮春樹(しのみやはるき)。
こいつが一番ヤバイ。
とんでもないイケメンの癖して、
まさかのヤンデレ。
私のためとか言って、
今までは散々な思いをさせられたのを
覚えている。
本人には悪気は一切無いのが
こいつの厄介なところ。
…いや、悪気しかないのか。
