あたしが可愛くなったからか、2人からの嫌がらせが目に見え始めていた。


最初は本当に陰口だけだったのが、今は直接的な嫌味に変化している。


このままだとあたしの学校生活は窮屈なものになってしまうかもしれない。


「5ミリって」


あたしは小さくため息を吐き出してそう呟いた。


あの2人に勝つためにはこんなにのんびりしている暇はなかった。


すぐにでも身長を伸ばして見返してやりたい。


今も2人は博正を挟んで楽しそうに会話をしている。


時々こちらを見てはニヤニヤと笑う楠葉と四葉。


「大丈夫か?」


そう声をかけられてハッと顔を向けた。


「桜井君……」


「今日すっげぇ怖い顔してるぞ」