浴槽の中、あたしは自分のスタイルを確認していた。


腰をひねったり後ろを確認してみたり。


文句のつけようのないスタイルをしている。


「加工アプリでスタイルが変化するなら、簡単なのにねぇ」


桜井君の言葉を思い出してあたしはそう呟いた。


自分が痩せた原因はいまだに不明だったけれど、桜井君の言葉は信用できなかった。


「スタイルだけじゃなくて、顔まで変化していくんだっけ」


ぼんやりと、浴室の天井を見上げた。


桜井君のスマホには見たことのないカッコいい男子がうつっていた。


でも、加工したというならなんとでもなる。