あたしは誰もいない空き教室のベランダで、1人で膝を抱えていた。


少し冷静にならなきゃいけないのに、怒りばかりが湧いて来て止まらない。


誰か、誰でもいいからこの怒りを止めて欲しい。


「そんな所でなにしてんの?」


そんな声が聞こえてきて振り向いた。


教室へ続いているドアの前に桜井君が立っている。


「……別に」


あたしはそう言い、そっぽを向いた。


どうしてこの人は気配もなく人に近づいてくるんだろう。


「サボリ?」


そう聞いて、桜井君はあたしの隣に座って来た。