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スマホで時間を確認しながら休憩時間が終るのを待った。


たった15分の休憩時間を逃げて過ごすなんて初めての経験だった。


あと5分くらいで授業が始まる。


そう思った時だった。


トイレのドアが開く音がして、2人分の足音が聞こえて来た。


「雅どこ行ったんだろうね」


この声は楠葉だ。


あたしの心臓はドクンッと大きく跳ねた。


もしかして、また聞きたくない事を聞いてしまうかもしれない。


そんな不安に襲われて、勢いでトイレの個室から出てしまおうと考えた。