「ううん。大丈夫?」


あたしは心配しているふりをして宏哉にそう声をかけた。


あの復讐日記を手に入れた今、もう宏哉の存在もどうでもよくなりつつある。


「あぁ」


「お兄さんにも挨拶させて?」


そう言うと、宏哉は頷き歩き出した。


あたしはその後ろをついて行く。


剛に会うのは1年以上ぶりのことだった。


自分の心臓がドクドクと早くなるのを感じる。


あたしと別れてから剛はどんな風に生きて来ただろうか?