嘘ごと、愛して。


「ちょっ、」

たださえ狭い空間にも関わらず、正義がくっついてきた。

「向こう行ってよ!」

「撮れねえだろ」


正義の肩があたり、離れようとするも強引に背中に手を回されて逃げられない。


なになになに、プリクラってこんなに密着して撮るものなの?


5、4、3、
今度は急にカウントダウンを始める機械。

「あそこカメラ!」


正義が指す穴を見つめる。

カウントが0になった時、シャッターの音がした。

「お前、笑えよ…」

呆れたように正義が言うので、首を振る。


「私、写真とか大嫌いなの」


顔は瓜二つ。それなのに、真凛と私の人生の明るさは違う。
写真なんて結局、見掛けしか写らない。

「俺との記念だと思って」

「記念?」

またカウントダウンが始まる。


「ラーメン記念」


そうだね。
正義との思い出を、写真に収めるのも悪くないかもしれない。

もう逢えない人との、記念写真。