嘘ごと、愛して。


若い男性と此処にいた。
恋人とは否定しつつも一緒にラーメンを食べていた。

きっと映画の帰りに寄ったのだ。
その日、一緒に居た人であれば真凛が急に部屋に閉じこもるようになった理由を知っている可能性が高い。

前日の真凛も浮かれていたことだし、信頼できる相手だったのかもしれない。

後ほど晴人さんを通して、詳しくお兄さんに聞いてもらおう。

ーーなんか、急に進展した気がする。
なぜ雨の中ずぶ濡れで真凛が帰ってきたか、その真相を知る相手…問い詰めてやる。


「はい、どうぞ」


テキパキと盛り付けされた2人分のラーメンをお兄さんから受け取ると、無性にお腹が空いてきた。


「「いただきます」」


正義と同時に手を合わせる。

豚骨醤油ラーメンは想像よりもあっさりしていて、喉越しがとても良い。


「とっても美味しいです!」


返事はなかったが、お兄さんの口元は笑っていた。


正義はというと早々に替え玉を注文し、特に言葉もなく、ラーメンをすすった。


これが正義と食べる最後の食事だ。
そう思うと、途中から味がよく分からなくなった。