結果発表の日、真凛と一緒に再び学校に来た。


不合格だと知りながらも、その結果を確かめなければと思った。
自分の目で、現実を見なければ…逃げては駄目だと。

合格者の受験者番号が掲示された伝言板へ、立った時の胸の高まりは一生、忘れられない。
真凛の番号を見つけた時、彼女に気を遣われたくなくて、わざと明るく笑った。

おめでとう、そんな風に声を掛けた記憶があるが、心から祝福できていたのか、その答えは未だに分からない。



妹から逃げてどうする、ずっとそう思っていた。

けれど今度は妹が逃げ出した。
その逃げ道を塞ぎ、正しい進路へと向かわせるために、私はもう一度学校に足を踏み入れたのだ。


ある意味、挽回のチャンスなのかもしれない。

今度こそ、きちんとやり遂げよう。


強く決意して体育館に向かう。
真凛と一番仲の良かった、百瀬 楓さん。
まずは彼女と話してみたいと思った。
テニス部に所属していてこの時間は朝練だと、晴人さんから情報を仕入れていた。


体育館横で音楽を聴きながら時間を潰す。
しばらく経つと、
お目当てのポニーテールの女の子が出てきた。

「あの、」


イヤホンを外して声をかける。

意志の強そうな大きな瞳が、私を見た。





そして私は、
思い知ることになる。

どうしようもなく哀しい現実を。

知りたくもない、"貴方"の裏切りを。