「真凛!」
お昼休みは後5分もないというのに、息を切らした裕貴が廊下から私を呼んだ。
ブログのアドレスをメールで伝えたから、慌てて駆け付けたのだろう。
「見てくれたんだ」
「驚いたよ」
廊下に出て、珍しく乱れている裕貴の髪を手で整える。
「私もまだ読んでる途中なんだけど、」
「僕もちらっと」
「それでねーー」
晴人さんのことを切り出そうとすると、強引な力で後ろに引っ張られた。
「ちょ…」
よろけた拍子に何かに衝突する。
「生徒会長さん、休み時間もう終わりだよ?アンタいつも言ってるじゃん、5分前行動は大切だって」
頭上から降ってきたからかい口調。
見上げるとすぐ近くに正義の顔があった。
「なにすんのよ」
私の抗議を無視した正義は、何故か首に右腕を回してきた。
「アンタ、こいつの何なの?」
首を絞められてるとか、そんなんじゃなくて…なんていうのかな、後ろから、だ、抱き締められているような感じ?
突然のことで、上手く反応できなかった。
密着した身体に、鼓動が早まるーー。


