後1年、晴人が卒業すれば、2人の関係はまた元のように戻れると信じていた。

「なんで晴人にチョコやらないの?」

「……晴人と話したら、泣きそうだから」


晴人の話をしただけで、既に真凛の目は潤んでいた。


「泣けばいいじゃん」


我慢することなんて、なにもない。
真凛も晴人も何一つ、悪くないんだ。


「私のブログ、見てる?」

「あー、昔、教えてもらったやつな」


今時の女子高生はブログだとか、SNSだとか色々な場所で自分の言葉を発信している。
不特定多数の誰かに共感してもらいたいのか、身近な者に近況を語りたいのか、意図が分からず、そういう類のものとは無縁だ。


「ブログにね、正義に心変わりしたって書いてるの」


「はぁ?」


「あのブログは中学の友達と晴人と、正義しか知らないから心配しないで…でもきっと晴人は見てくれていると思う。晴人の親友に恋をした最低な女だと、嫌いになってほしいの」


「わさわざ晴人に嫌われるようなことを?」


今日は真凛のことをひとつも理解できない。
女は面倒臭いと思っていたが、まさかここまで訳が分からないとは…