「晴人さん、私は正義を巻き込みたくないの」

「正義、悪いけど、今から見ること聞くことに、一切、口出ししないで。正義は私が合図するまで、じっとしてて」

「晴人さん…」

どうして。
正義は何の関係もないのに。

「分かった。分かったから早く行こうぜ」

正義は何も分かってない。
知らないほうが良いこともあるのに。


「ごめんね」

晴人さんは正義に聞こえないくらいの小さな声で謝り、そして隣りの家のインターホンを鳴らした。


始まりの音が、響く。