嘘ごと、愛して。


電車を一本見送った。

次の電車に乗れば、1限には間に合う。

いつものように制服を着込み、家を出た。
何故そう思ったのかは分からない。

真凛のため?
それとも正義に会いたいから?

混乱する頭でホームに停車した電車に乗り込む。

迷っていた私に神様が背中を押してくれたのか、その電車に正義が乗っていた。


人混みをかき分け、カバンを床に置いた彼の隣りに行く。

「おはよう」

「ああ」

「朝から寝坊しちゃったよ」

「へぇ」

眠いのかあまり愛想がない。

彼の横に立ち、手すりに掴まる。


「…昨日はごめんね。混乱させたよね」

「別に」


正義の態度に違和感を覚えずにはいられない。


機嫌が悪いのかな…


まるで正義が風邪を引き、マンションに行ったあの日のような、冷たい目をしていた。