「不細工だな」
「そう?寂しそうな目とか、可愛くない?」
山積みにされたぬいぐるみたちのひとつひとつの表情が違っているように見えることは不思議だ。
元々は同じように作られたはずなのに、僅かに違う。私たち双子も、僅かに違う。
けれど、惹かれる人は同じだったね。
「よーし、取ってやる」
腕まくりをして真剣な表情でクレーンを操作する正義に全てを話したい衝動に駆られるが、
裕貴に釘を刺されている。
正義を犯罪者の一人にするなと。
話して楽になれるのは、私だけで。
真凛でない別の女の頰にキスをしてしまったと、真実を知ってしまった時、正義は傷つき、後悔するだろう。
それならばいっそ、なにも言わなければいい。
秘密も彼に対する想いも、
重く丈夫な蓋をして閉じ込めてしまえば、
きっと時間が解決してくれるだろう。


