嘘ごと、愛して。


隣りで変顔を披露している正義を見て、たくさん笑ってしまった。
楽しい。


何ポーズ撮影し終わり、最後の一枚。


3、2、1ーー

なんとか笑おうと努める私の頰に何かが触れた。


「え?」

横を向けば正義の顔が迫る。


「キスプリ」

「キスプリって?」

「キスしながら撮るプリクラ。ま、お前は初心者だろうから、今日はほっぺで勘弁してやるよ」

「……」

状況が理解できず、正義を見つめる。

けれど先に目を逸らし、離れたのは正義だった。


「落書きとかする?」

「ペンやスタンプのやつ?」

「そう」


正義を追って機械の外に出る。


「私、センスないから無理」

「じゃぁこのままでいいな」


キスプリ?
頰に触れたのは、正義の唇?

少しも甘い雰囲気にならず、機械に向かってするようなこと?

そんな中途半端で、
それでも未練が残るような思い出は、
ーーいらない。