愛「市ノ川息子よ、どうすればいいと思う?」
祐「いつもどうしてたんですか?」
愛「我が父に丸投げしてた」
祐「…………え?」
愛「ん?」
祐「あの、お聞きしたいのですがお父様は何歳なのでしょうか」
愛「えっと…………今年で44、だったかな」
祐「…………え?」
愛「ん?」

なにこの会話。

祐「……若すぎないですか」

………………。

あ~!!!
マズったぁぁぁあああ!!!!!
なんだよダンディーな声のじじいのはずなのに父親が44歳て!!!
母親は何歳で子ども産んだんだよ!!

愛「あー、その、あれだ。……………………若い、だろ?」

無理があるぅぅぅううう!!!!!
どうしよどうしよどうしよどうしよ

祐「え、はい…………?」

ンンンンンンンンンンンンン

愛「とっ、ところで市ノ川息子よ、なんて名だ?」

愛乃のコマンド!
《話題を逸らしますか?》
YES ←
YES

祐「あ、市ノ川祐翔と申します」

《スキル【話題逸らし】は発動成功!》
《愛乃は無事に危機を脱した!》

愛「ホッそうか祐翔か。今から我が父親を呼んでくるから少し待っていろ」
祐「承知しました。あと今のホッて声はなんでs」
愛「気のせいだ」
祐「……はい」

はー良かったセーフだ。
ん? アウトだって?
そ、そんなわけないじゃん? ピィヨリィーーン♪(口笛)

まあとりあえず親父を……


……ん?

襖(ふすま)を開けたところに転がってる黒い塊はなんだ?



【answer:親父】


愛「おいクソ親父。そこで何をやっている」
父「えっとぉ………………覗き?」
愛「ブッコロス」


────ぎゃぁぁぁああああ!!!!!



愛「さて。親父よろしく」
父「え~? お願いするときはぁ、なんて言うんだっけぇ?」
愛「さっさと動けや」
父「ウィッス」

親父は他の奴らを起こし始めた。
まあ、放っておけばなんとかなるでしょ。

私は全てを親父に丸投げし、急ぎ足で会社へ向かう。
つっても会社と組、隣同士なんだけど。
そんで良い感じに商案まとめてから会社を出た。

途中公園のトイレに寄ってワイシャツネクタイにプリーツチェックのミニスカ、その上からパーカーを羽織ってから公園を出る。ちゃんとフードもかぶってるよ。
それとさっきまでは黒いオヤジっぽいオールバックのカツラだったからそれを外して赤髪ツインテールのカツラにする。だいたい長さは胸あたりまである。あと目も両方赤のカラコンを入れた。
耳には紫色の蝶がモチーフになっているピアスがついている。

まあこれらは世界最強の族潰しである『散蝶』の印みたいなものだ。

さて、今回潰しに行くのは3つの族。
『毒牙』と『毒闇』と『毒蟲』だ。




……ねえちょっとまって。

“毒”って単語付いてんのすごい多くない??
毎回思うんだけどさ、“毒”とか“闇”とか付いてる族ってなんなの?
最初っから悪いことする気しかなくね?
そんなにやられ役になりたいの?
特に2番目の“毒闇”。

もう、うん。
こいつらは何を思ってこんな名前にしたんだよ。
なにやってんだよ総長。