世界は広くて世間は狭いってか。
……今、格好いいこと気がする。そう思わない? ねっ?←別に格好いい訳じゃないけど今ので台無し。


?「愛乃? 何してんの?」


その時、様子を窺っている私の後ろから話しかけてくる奴がいた。

父「愛乃?」

そう。我が家の馬鹿、父である。
ちなみに阿呆は兄貴だよ☆

愛「いや、なんか龍二(リュウジ)んとこの息子が今日私が転校したとこのクラスメートだった気がするんだよねぇ」

龍二とは市ノ川組の組長のこと。
確か小一くらいの時に知り合って意気投合して仲良くなったんだっけな。
懐かし。
今でも覚えてるよ。

あの時に語り合った喧嘩についての数々。

いやぁ、素晴らしかったね。
特に笹木組を潰したときの話なんて最高だったね。うん。


閑話休題。


父「へぇ。龍二のとこの息子さんがクラスメート、か……」

親父は顎に手を当てる。
あ、なんか下らないこと言いそうだなこいつ。

父「こ、これは、少女漫画のような展開っ! まさかその子にうちの娘が取られると言うのか?!」

父は俯いて体をふるふると震わせる。
そしてこう言った。


















父「父、超キュンキュンするぅ!!!!!」

お前は乙女かあっ!!
普通そこはね、

“娘はやらん!”

とか言うもんなんだよ!!
いやそれでも面倒くさいけどね!

愛「親父うるさい。まじ3U」
父「え? どういう意味??」
愛「うるさい、うざい、鬱陶しい」
父「ひどい!」

親父は廊下の隅でうずくまりいじけ始める。めんどくさい。

愛「もう会合始まるからばいばい」

なおもいじけ続けている親父を放っておいて私は大広間へと歩く。
因みに今の親父への罪悪感はマイナス10です。
もはや悪意もあるよ。

アクイハアルケドワルギハナインダヨー
……ホントダヨ??