「ねぇ、そこでアイス食べて帰らない?」



陸斗の期限を取り戻そうと電車を降りた後、最近できたアイスクリーム屋さんに誘ってみる。



女の子じゃないけど陸斗もこれで少しは機嫌よくしてくれるかな?



「ごめん、いらない。」



いつもの陸斗ならあたしが食べたいと言ったら付き合ってくれるのに…。



あたしも今日は別に食べたいわけではないけれど。



「じゃあ、陸斗はどうしたいの?このまま家帰って今日は別れる?それとも、あたしをまだ連れまわす?笑顔にできることなにもできないくせに…。」



どうしよう。苛々して全て言ってしまった…。



陸斗を恐る恐る見上げると陸斗はついに涙を流している。



「そうだよな。オレのわがままで恵美のやりたいことは奪えないんだよな。」



陸斗はそう言って人ごみの中に混じりあたしの視界から消えて行ってしまった。