「ははっ、オレの演奏そんなに気に入ってくれるなんて嬉しいな。黒板落とし子ちゃん。」
優月くんの中ではあたしは“黒板落とし子ちゃん”と命名されているようだ。
そういえば、あのとき名乗るのを忘れていたな…。
「恵美です。旭 恵美。」
名前だけの簡単な自己紹介をしてあたしは優月くんの表情を覗き込んだ。
「恵美ちゃんね。俺の名前は秋梨 優月です。よろしくね。」
朝とは違ってにこやかにあたしへ微笑む優月くん。
ピアノがないと人が変わってしまうと優月くんのクラスの人が言っていたけど本当だったんだ。
優月くんはさっさと鞄を手に取って教室を出て行こうとする。
ヤバい。今、言わないとまた人が変わってしまうかもしれない。
そう思ったあたしは多分、旧校舎中に響く大きな声で優月くんに言った。
「あのっ。あたしにピアノを教えてください。あたしもあんな風にいろんな色に変わるようなキラキラ星が弾きたいです。」
あたしが声を張り上げそう言うと、優月くんは驚いた表情をしてあたしを見ていた。
でも、その表情は一瞬にして戻る。
優月くんの中ではあたしは“黒板落とし子ちゃん”と命名されているようだ。
そういえば、あのとき名乗るのを忘れていたな…。
「恵美です。旭 恵美。」
名前だけの簡単な自己紹介をしてあたしは優月くんの表情を覗き込んだ。
「恵美ちゃんね。俺の名前は秋梨 優月です。よろしくね。」
朝とは違ってにこやかにあたしへ微笑む優月くん。
ピアノがないと人が変わってしまうと優月くんのクラスの人が言っていたけど本当だったんだ。
優月くんはさっさと鞄を手に取って教室を出て行こうとする。
ヤバい。今、言わないとまた人が変わってしまうかもしれない。
そう思ったあたしは多分、旧校舎中に響く大きな声で優月くんに言った。
「あのっ。あたしにピアノを教えてください。あたしもあんな風にいろんな色に変わるようなキラキラ星が弾きたいです。」
あたしが声を張り上げそう言うと、優月くんは驚いた表情をしてあたしを見ていた。
でも、その表情は一瞬にして戻る。



