本当に今のは優奈の言う通りだ。陸斗について行かなければあたしは今このメンバーで作り笑いをし続けていた。


「そ、そういえば。美沙は？教室にいないけど…」


美沙がいればあたしの居心地が悪くなる。


でも、いなければいないで寂しかったりもする。


「北条から電話がかかってきて血相変えて授業が終わった瞬間に教室飛び出して行ったよ。」


「いいよね～。同い年のカレシ。マリ年上だから校内で会うことできないもん。」


優奈が教室の扉を見つめながら一人で呟いている。


優奈の中の“いいな”とはあたしのことも含められての言葉なのだろうか。


「ミウ、アヤノ、ユナごめん～。みんなしてメグミをいじってたんでしょ？ずる～い」


実沙が明るい声で教室に戻ってくる。


実沙の中であたしの存在はからかうことが楽しいヤツらしい。


今、実沙と目を合わせるとまた睨まれてしまいそうなので彩乃から借りたノートを書き写してるフリをした。


「また無視かよ…。つまんねぇ。行こう、ユナ。」


美沙はあたしに対して本当に怖くて、北条といるときどんな顔をしているのか気になるくらいだ。


「あっ、うん。」


優奈も心配そうな表情で美沙について行った。


あたしは実沙に対して嫌われるようなことなんて一つもしてないはず。


だとしたら、北条となにかあったのかな？