傘に入れてくれますか?




――ウソッ


陸斗の膝に置かれているスケッチブックを見た瞬間、今までにないくらい感動した。


陸斗の世界にあたしがいる。あたしが映っている。


一つ、あたしの願いが叶ったとさえ思った。


「どうだ、感動しただろ。」


「うん。すごく、すごくすごく感動した。」


涙が頬に伝ってくるほど感動した。


「でも、まだ足りないんだよ。なにかが」


陸斗が一人ぼそりと呟くのであたしは首をかしげる。


「わりぃ。オレちょっと学校に戻るわ。恵美、気を付けて帰れよ。」


陸斗はそう言い残し颯爽と消えて行った。


本当に陸斗は勝手なんだから