傘に入れてくれますか?

「うまいか?」


「うん。美沙たちと食べるのよりおいしい。美沙たちといたときも頼みたいやつ頼めばよかった。」


素直な言葉を陸斗に言って前を向くと陸斗は近くの椅子に座り片手にクレープもう片方には鉛筆を持ってスケッチをしていた。


こんなところでも陸斗って絵を描くんだなぁ。


あたしが陸斗にしばらく見とれていると陸斗の声が聞こえた。


「よし!できた。久々に描いたなぁ」


陸斗は何を描いていたのだろうか。


すごく気になるけれど、なんだか見るのが恥ずかしくて陸斗に何も言えない。


「恵美、見ろよ。オレの自信作」


今日、陸斗と過ごしていた中で一番の笑顔で陸斗は嬉しそうに笑っている。


よほど気に入った絵が描けたのだろう。


どうしようもなく、陸斗の描いた絵が見たいと思った。


一歩、また一歩。


あたしは陸斗の絵を見たいと思って陸斗の方へ近寄って行く。


恥ずかしい気持ちも大きい。でも、それよりも陸斗の瞳に映った世界が気になる。


欲張りなことに陸斗の見る世界にああしがいてくれたらとさえ思っていた。