傘に入れてくれますか?

「ごめん、聞いてなかった。どうしたの?優奈」


「そこのデパートの3階の雑貨屋さんで実沙が蝶のオシャレなブローチ見つけたんだって。ちょっと見に行かない?」


「優奈、別にいいって。アタシ好みなんだし。恵美たちの気に入るものかわからないもん。」


「でもさ、皆でお揃いのデザインのものつけるのってよくない?ほら、このミサンガみたいに。」


建物に入ってしまえば傘をささなくても雨にぬれることはないし、皆で地下鉄に乗って帰ればいい。


そんな曖昧な考えであたしは実沙のショッピングに付き合うことにした。


「美雨と彩乃も来るよね。」


「うん。彩乃に似合いそうなもの選ぶの~。」


「美雨は彩乃のことが大好きだもんね~。」


「じゃあ美雨に選んでもらおうかな?この眼鏡に似合いそうなアクセサリー探してね。」


「うん!まかせて。」


「美雨も彩乃も決まりだね。」


あたし達はそんな会話をしながらデパートの地下へつながる階段を下りていく。
ここを降りたら雨にぬれずに済む。


「そういえば、実沙は北条といい感じなの?うちのイメージだと金持ちの家って忙しそうでデートとかなかなかできなさそうなんだけど。」