傘に入れてくれますか?

だから、あたしは陸斗の手を取ることにした。


「恵美ってすぐ成長しちまうよな。」


陸斗ははにかんだ笑顔で嬉しそうにあたしに言った。


「あたしのこと成長させたのは陸斗じゃない。」


あたしも自然と嬉しくなって陸斗につられて笑う。


「恵美、クレープ食べて帰ろうか。」


「えっ、どうして?」


“クレープ”という単語を聞いて美沙たちと行けなかったことを思い出す。


「なんか恵美がクレープ食べたそうな顔してたからさ。違うのか?」


陸斗にはあたしのことなんでも読めちゃうんだね。


「食べたくなんかないわけないよ。むしろ、食べたい。陸斗と一緒に」


クレープなんて誰と食べたって味は変わらないんだし、陸斗と一緒にとかつければ陸斗も喜ぶはず。


「陸斗はあたしの言葉を聞くと財布の中を確認する。多分、出そうとしてくれているのだろう。


「あー、やばい。金がたりねぇ。」


「いいよ。クレープはあたしのわがままなんだし。あたしが出すよ。」


なんでも払ってくれようとする陸斗をあたしは必死に止めた。


だって、付き合ってもいないのにあたしが陸斗の彼女みたいだもん。