傘に入れてくれますか?

そう言って陸斗は少し乱暴に買ってくれたヘアピンの入った袋を投げる。


美沙たちとつるむことを辞めてしまえばあたしの居場所はなくなったも同然。一人になってしまう。


あたしは少し迷いながら陸斗の買ってくれたオレンジ色のヘアピンを見つめる。


ヘアピンは吸い込まれてしまいそうなほどきれいに輝いている。


今ここで陸斗にヘアピンを返すという選択肢はまだあった。


でも。でも、あたしはヘアピンを胸にギュッと握りしめ陸斗に強くうなずく。


「わかった。あたし、陸斗の気持ちを受け入れることにする。」


陸斗にうなずいてしまえばもうあたしは戻れないことはわかっている。


その先に待っているものも十分にわかってるつもりでいる。


この朝からの短時間で色々なことをあたしは陸斗から学んだ。


美沙たちと共に過ごした今までも楽しかった。それなりに…。


でも、あたしの幸せはそれなりではいけないんだ。最高に幸せじゃないとだめなんだ。