「着いたぞ。」
陸斗はそう言ってあたしに鍵を渡す。
「え?これ、なに。」
渡された鍵の意味が分からず、あたしは陸斗にそう言ってしまう。
「見りゃわかるだろ。カギだよ、カギ。オレの世界のな。」
陸斗の“オレの世界”と言う言葉が少しおかしく感じる。
あたしは陸斗から受け取った鍵で扉を開けた。
陸斗の世界。そこはやっぱりなにもなくて孤独な感じがする。
でも今は、放課後と言うこともあり耳を澄ませばどこからかピアノの音も聞こえてくる。
「またユヅの奴、ピアノ弾いてるんだな。」
陸斗は右側を向いて壁を見つめそう独り言をいう。



