傘に入れてくれますか?

「終わった~。」


「帰りクレープ食べて帰ろうよ。」


帰りもこうやって美沙たちと一緒に過ごす予定だった。


クレープかぁ。今日はお金財布にいつもより多く入れてきたし大丈夫かな。


内心そんな話にワクワクしながら下駄箱に向かう。


あれ?なんだろう、これ。


あたしの下駄箱の上履きの下にノートを破いたであろう紙がある。


その紙に大きく書かれていた。


――図書室待ち合わせ――


多分、相手は陸斗に違いない。


「ごめん、ちょっと用事思い出しちゃった。また今度誘って。」


美沙たちに謝ってあたしは図書室へ向かう。


陸斗との約束は何故かすごく大切なものに感じたんだ。


明日、実沙がまた不機嫌な態度を取るかもしれないけれど陸斗のあの悲しげな瞳を見るよりはずっといい。


よくわからない図書室までの道をあたしはとにかく進んで行った。


深く深呼吸をして、あたしは図書室の扉を開く。