陸斗のおかげで今日もなんとか登校することはできた。


いつも通り、実沙と優奈と彩乃と美雨は仲良く笑い合っている。


あたしもその中にいる。


でも、あたしだけ笑えていない。心から


この中のメンバーの一人は心から笑っていないのかもしれないけれど、あたしにはわからない。


でも、美雨だけは単純だから多分笑っているのだろう。


あたしの周りにいる皆はいたるところに昨日買った蝶のものを身に着けている。


あたしの美雨につけてもらった左手の蝶もまだ消えていない。


これがあるうちはあたしも少しは安心してこのグループにいられる。


「でねぇ、昨日マリと食べたチュロスがものすごく美味しかったの。二人で分け合ったんだよ。」


「優奈ののろけ話はわかったからアタシの残念話も聞いて!」


「もう、仕方ないなぁ」


「予想は付くけどね。」


「いいよ。聞いてあげても。」