こんなに雨が降っているのに傘も差さずに立ち止まっているあたしは多分、ほかの人から見たら変に映るだろう。
でも、今はそんなこと気にしない。
「・・・グミ?」
雨の音でうまく聞こえない。でも、あたしのことを呼んでいるのだろう。
ぼやける目の前に見えるのは、あたしの高校のブレザーを着た男子生徒の胸あたり。
ネクタイがあたしと同じ学年の色だ。
「恵美、傘も差さないでこんなとこで突っ立てたら風邪ひくだろ。皆勤賞なくなるぞ?」
雨の音にも負けないくらいの声であたしに話しかけてくれたのは陸斗だった。
傘を握るその手にはいろんな色の絵具がついている。
そこがまた陸斗らしいなと思った。
「傘は?」
陸斗はあたしを心配する声でそう言う。
なんで、こんなに優しいの?あたしを昔いじめてたのに…。
「失くした。」
咄嗟につくウソ。傘なら鞄に入っている。
どうしてこんなに優しくしてくれるの?あたしのことなんてほっておいて。
「じゃあ、オレのやつに入れよ。恵美ちっこいしはみ出ることないと思うから。」
陸斗は黙ったままのあたしを傘に入れる
でも、今はそんなこと気にしない。
「・・・グミ?」
雨の音でうまく聞こえない。でも、あたしのことを呼んでいるのだろう。
ぼやける目の前に見えるのは、あたしの高校のブレザーを着た男子生徒の胸あたり。
ネクタイがあたしと同じ学年の色だ。
「恵美、傘も差さないでこんなとこで突っ立てたら風邪ひくだろ。皆勤賞なくなるぞ?」
雨の音にも負けないくらいの声であたしに話しかけてくれたのは陸斗だった。
傘を握るその手にはいろんな色の絵具がついている。
そこがまた陸斗らしいなと思った。
「傘は?」
陸斗はあたしを心配する声でそう言う。
なんで、こんなに優しいの?あたしを昔いじめてたのに…。
「失くした。」
咄嗟につくウソ。傘なら鞄に入っている。
どうしてこんなに優しくしてくれるの?あたしのことなんてほっておいて。
「じゃあ、オレのやつに入れよ。恵美ちっこいしはみ出ることないと思うから。」
陸斗は黙ったままのあたしを傘に入れる