優奈も彩乃の空気を読んで美沙にそう言った。


優奈の言葉で実沙の怒りは収まった。


「そうだね。雨、大降りになる前に帰った方がいいよね。皆、気を付けて帰って。」


美沙の言葉を最後にあたし達はそれぞれの方向へ歩いて帰る。


「彩乃、課題できたら教えて。」


「いいよ。じゃあ後でメッセージで送るね。解説付きで」


彩乃と帰る美雨の言葉。


「今日の課題、北条のメイドさんに教えてもらお。」


「いいなぁ。実沙はそんな便利なカレシいて。うちのマリなんて家庭教師だからお金払わないと教えてくれないよ」


実沙のカレシを羨む優奈の言葉。


そして、余ってしまったのがあたしという存在だ。


今日は雨にあたって帰りたいな…。



このまま地下を通って駅まで行くこともできるけれど今は冷たい雨にあたりたい気分だ。


あたしは外に出る。傘も差さずに。