傘に入れてくれますか?

秋梨くんの人格が変わった。



旭から最初に言われてまさかとは思っていたけど、最近はこれも慣れたんだよな。



「はーい。」



旧校舎の下駄箱で靴を履き替え、外に出た瞬間ものすごい雨音が聞こえてくる。



秋梨くんは呆然と空を見上げている。



傘、今日持ってきてたかな。



天気予報は今朝見た時だと雨ではなかったので傘を持ってきていたか心配になった。



急いで鞄の中を漁ってみる。



しかし、傘は見当たらずうちはびしょ濡れで帰るしか方法は残されていない。



「…え、…?」



秋梨くんがなにかをうちに言ってきているけど雨音のせいで聞こえないよ…。



「だーかーら。家、どこ?」



秋梨くんはなにも答えないうちにイラついたのか今度は大きな声で言った。



家?



うちの家なんて聞いてどうするんだろう。



「傘、ないんだろ?仕方ないから優奈ちゃんの家まで送って行ってやるよ。」



そう言った優月くんの顔はどことなく照れている。



でも、どんな不器用な言い方であれその言葉が嬉しい。