本当にうるさいなぁ。



うっとうしくなってあたしは通話を拒否するため、スマホを手に取った。



そのとき明らかになったあたしに電話を掛けてきた人物。



え…、優月くん。こんな時間にどうして?



相手が優月くんだったのであたしは急いで電話をかけなおす。



何度もコールを鳴らしといてあたしがスマホを手に取った瞬間には切られてしまった電話。



どうか、出て…。



『恵美ちゃんよかったぁ。』



どこか安心したような優月くんの声。



「電話、何度もかかって来てたから気になって…。」



お互いを確かめ合うような言葉も忘れ、あたしは優月くんに言っていた。



『大したことじゃないから明日、話そうかなって思ったんだけど…』



優月くんは迷った感じの声でそう言う。



たとえ、大したことではなくても気になってしまう。



「大したことじゃなかったらあんなに電話掛けてこない。気になるから話して。」



優月くんが話そうとしていることが残酷なことに感じてきてしまう。



怖い…。でも、聞かなきゃ。



『恵美ちゃんがそこまで言うならわかったよ。』