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今日はいるかな?
陸斗に悲しいことを言われたその後もあたしはあの部屋に通い続けた。
相変わらず物がない孤独な部屋。
陸斗がいつも絵具をしまっている棚を覗いてみる。
絵具が残っていることがわかるとなんとなく心が落ち着くんだよね。
でも、絵具の種類は日に日に減って行って、陸斗がもうすぐこの部屋にこないことを予感させる。
「なにしてるんだよ、お前はコソ泥か。」
陸斗は来た。
あたしと陸斗の会話はそれだけだったのに、陸斗の姿を見ると嬉しくてたまらない。
この前の陸斗の発言から少し、ぎくしゃくはしているけれどまだ顔を合わせてくれるだけでマシだ。
陸斗は今日もあたしの存在を空気だと思って絵を描いている。
絵を描いている陸斗の背中が好きで、陸斗の傍にいられるだけでいいと思っていた。
「あーっ、気が散る。アトリエ変えようかな?」
やっぱり、あたしは陸斗に避けられてるのかな?
少し不安がよぎるけれど、陸斗は壁をコンコンと叩く。