もう…、恥ずかし過ぎるよ…。


告げられた言葉と、周りの空気から湧き上がる羞恥心に視線をあちこちに彷徨わせる。


この場合はどう反応したら良いのかと本当に参っていると、宮野くんが腕を掴んでいる友達の手を強引に払い退け、私の立っているレジ前まで戻って来る。


それと同時に彼は学生服のポケットから私に白くて小さな紙切れを、すっ、と差し出した。



「これ……」

「…え?」

「もし。…もし、天野さんが今彼氏とか好きな奴が居なくて…俺の存在が迷惑だと思わなかったら俺の携帯番号とアドレスを書いたこの紙を受け取って欲しいんです。……あ、あの、まずは天野さんと友達なりてーっつか……その、」



しどろもどろになりながら頭をがしがしと掻き、照れ臭そうにしている彼の姿が可愛いと思ってしまった。