「小雪ー、お風呂入っちゃいなさいよー」
お母さんの声が聞こえて私はタンスからパジャマを取り出す。
1回お風呂に入って落ち着こう。
頭、整理しよう。
階段を降り、お風呂場へと向かう。
「あら、ほんと仲良しね、お風呂まで一緒?きゃ」
は?お母さん、いよいよ頭おかしくなったの?
さっきから何言って...
お母さんの目線を追い、後ろを振り向くと雪村くんが同じように着替えを持ってついてきていた。
は?は?はぁぁぁぁぁ?何考えてんの!?
「雪村くん、ふざけないで!絶対入ってこないで!入ってきたら追い出すからね!」
私はバタンっと風呂場のドアを閉めた。
「あら、小雪ったら」
「小雪ちゃん、恥ずかしがり屋なんで」
とか、お母さんと雪村くんの会話が筒抜け。
挙句の果てにはお母さん、私の小さい頃の思い出話なんて始めちゃって。
私は聞くまいと浴槽にブクブクと沈んだ。

