じゃーん!と得意げに手に持った大きなカバンを私に見せつける。
聞き間違いじゃなかった。。
なるほど...そのカバンは家出道具だったわけね...
「いや、でもやっぱ付き合ってもないわけだし健全な高校生男女がひとつ屋根の下ってのはちょっと」
自分でも何言ってるかなんて全然わかんないけど昨日1日だけであんなに心臓爆破しそうだったのに。
「...うっ、うっ」
...手を目元に当て泣き声をあげる雪村くん。
だ、騙されないもんね、、
「わかった、小雪ちゃんがいやならいい僕家帰る」
雪村くんは目元を拭いながら顔を上げる。
目元に一筋の透明な涙が光って見えた。

