「小雪、今日ずっと震えてるけどそんな寒い?」 薄茶色のカーディガンを羽織ろうとした私にお弁当を広げながら夏海ちゃんが問いかける。 「いや、寒くはないんだけど奴を見ると、、」 「奴?だれそれ」 あ、いけないいけない。 雪村くんの狼な一面をばらしでもしたら地獄行きだ。 この秘密は墓場まで持ってかなきゃ。 「な、なんでもない」 ふーんとタコさんウインナーを箸でつまむ夏海ちゃん。 「雪村くん、大丈夫かね頭痛いとかって言って帰ったけど」