「あー、もうほんと困る」



雪村くんは私をぎゅっと抱きしめた。



心地が良くて。




好きな人に好きって言ってもらえることがこんなに嬉しいことだなんて。





「小雪ちゃん、ばかだしすぐ泣くけどいっつも俺のこと助けてくれてヒーローみたい」



ヒーローって。



思わず笑ってしまう。



私がヒロインじゃなくてヒーローでもなんでもいい。

だってヒロインみたいな君が好きだから。

「俺、小雪ちゃんじゃないとダメみたい」

雪村くんは私の唇にそっと自分のを重ねた。