「ちょ、お客様困ります!」


店員の慌てたような声が耳に入った。バーン!バーン!と襖を開ける音が何回も聞こえる。




そしていよいよ隣まで音が近づいてきて。



最後に一番奥の俺達がいる襖を開け放した。



「小雪ちゃん...」はぁはぁと肩で息をして鼻も手も真っ赤で。




「雪村くん、来て!!」




小雪ちゃんはそれだけ叫ぶと俺の腕を引っ張った。



その場は大混乱。



「海里!戻ってこい!」




「なんなのあの子!」



俺はクスリと笑うと小雪ちゃんの小さい手を握り返した。