風邪薬のせいで頭がぼーっとして意識が朦朧とする中。



誰かが部屋の中へ入ってきたのが見えた。



お母さん?でも何だか違う気がする。



「小雪ちゃんごめんね」




...雪村くん?なの?




なんで謝るの?



雪村くんは出会ったあの時と。文化祭のあの時と同じ感触を唇に残して。




私の意識はそこで途切れた。

*
*
*

「小雪ー、大丈夫?ご飯食べられる?」


今何時だろう、時計を見ると9時過ぎてる。


雪村くんの夢見ちゃうなんて。



私どれだけ好きなんだろう。



あんなこと言ったくせに。




「海里くん、お見舞い来てくれてたわよ、よく寝てるんで帰りますってすぐ帰ったけど」