この子は雪村くんから本物の指輪、貰うんだ。

それに、好きの感情も、言葉ももらうんだ。

私なんかが貰ったネックレスとはわけが違うんだ。

ペットに対する愛情表現みたいな私とは違うんだ。


なんだか泣きそうになって。




「用事、思い出したから帰るね」




「ちょ、小雪!?待って!」




夏海ちゃんが追いかけてきてるのが分かってたけど止まらずに早足になる。




校門を出て少ししたところでガシッと肩を掴まれ。


「待って」




なんで来るの?





「なんで泣きそうなの」




誰のせいで泣きそうだと思ってるの?




「離して...」




「小雪ちゃん」



名前呼ばないで。




「離してよ!!!!」




雪村くんが驚いて力を緩めた隙に掴まれていた腕を解く。