唇をふにふにと触る。 やばい、まだ感触が残ってる。 雪村くんの真剣な目を思い出す。 無理だ、もう顔、合わせられない。 「おはよ小雪ちゃん」 びくっ。肩が跳ねる。 「お、お、おはよ、」 ふぁーと眠たそうなあくびが聞こえる。 ちらっと雪村くんの様子を盗み見る。 ぱっと目が合って。 私は光速で逸らしたのに。