男の子達はもう一つの扉から逃げるように出ていった。



「雪村くん...」




今日はメイド服じゃない。



怖かった。




雪村くんが来てくれなかったら今頃...




「なんでそんなスカート短いわけ、なんでそんな無防備なの」




私の前に来て睨むように私を見る雪村くん。




「ごめん...」私は謝ることしか出来ない。




「そんなに胸元開いた服着てさ、誘ってるよーにしか見えないし」




わ、私だって好きで着てる訳じゃない。



でも何も言い返せなくて。




どんっ。




肩を押され雪村くんに机に押し倒された。




「何か言いたいことあるなら言いなよ」




言いたいことはたくさんあるのに。



さっきあの男の子達に押し倒された時は嫌で嫌で泣きそうだったのに。



雪村くんだと嫌じゃない。




こんな時なのにドキドキしちゃう自分が嫌だ。



だからかな。



雪村くんの顔が近づいてきても避けることが出来なかったのは。