私は雪村くんに抱きついた。 いきなりだったのに雪村くんはちゃんと抱きとめてくれた。 はじける花火。 この景色を誰とでもない雪村くんと見たかったんだ。 涙がポロポロ出る。 「汚いから鼻水とか付けないでね」 鼻水なんて出てないし! 「なんで勝手にいなくなるの」 一緒にいてほしいの?どうなの?とイジワルな雪村くん。 言わなくてもわかってるくせに。 「いてほしいよばぁぁか」 高校2年の夏休みはしょっぱくてでも、甘かった。