狼を飼うときの取扱説明書

『好き』
そう気づいてから私は今まで以上に彼と話せなくなり、距離は戻らないままテスト1週間前を迎えた。
優に想いを届けたい。
でも、いまはテスト勉強が先!
優先順位は考えないとね。
私は頭があまりよくない。
その上遅刻ばっかりだからテストでいい点数を取らないと留年になってしまう。
「かーんーなー、助けて」
「私パス」
「なんで!」
「…実は彼氏ができまして…今日はデートなので。」
「え、えぇぇぇぇぇ!!」
環奈に彼氏が!
「やばい!お祝いしなきゃ!」
「そんな事いいから勉強しなさい!」
「だって、一人じゃできない…」
「じゃあ、渡辺くんに頼めば?頭いいんだし」
「い、いいね!それ!」
「じゃあ、私帰るから。じゃあねー」
「うん!バイバーイ」
環奈は可愛くて私の自慢の友達。彼氏さんと幸せにね!

「なんが俺の話ししてた?」
「う、うわぁ!……なんだ渡辺くんか」
「うわーってなんだよひでぇな。…で、俺になんか用?」
「え、あ、あぁ。あのですね、勉強教えてもらいたくってですね」
「あぁ、いいよ。」
「ほんとう!?ごめんね、迷惑かけちゃって」
「大丈夫だよ」
そう言ってニコっと笑う渡辺くんは爽やかさがにじみ出ている。

その後、6時まで図書館で勉強を教えてもらったあと私は渡辺くんに家まで送ってもらった。
その様子を優が見てるとも知らずに。