今日は体育祭前日でみんな張り切っている。
私もみんなの足引っ張らないように頑張らなきゃ!と思いながら応援用のボンボンなどを作る作業に取りかかる。
「美央ー、生徒会室からビニールテープもらってきてくれる?こっちもう終わっちゃいそうなのー。」
「わかった!行ってくるねー。」

ーーガラガラーー

ドアを開けるとそこには優がいた。
まだ目を合わせるのはなんだか気まずくて無視して横を通ったら
「美央…!待って」
私はそれを無視して歩き続けた。
「美央…!!」
彼が腕を掴んで私を引き止めた。
「な、なに」
「美央…、お前と話せないのは…辛い。もう、避けないで…。」
「ごめん、どんな顔して話せばいいのかわからなくて。」
「美央、お願いなんだけど…」
「うん、」
「明日、明日だけでいいから俺のこと応援してて?」
「え?」
「だめ?」
そんな力強い目でこっちを見つめるからまたドキドキが止まらなくなる。
「わ、かった」
「ありがと」
そう言って私の頭を撫でて優は教室へ入っていった。



ー体育祭当日ー
「みーおっ!」
「かんな!やっぱりさ、私達のクラスは男の子たちの運動神経いいから強いね」
「しかも次は借り物競争だよ!盛り上がりそー」
「勝つといいな。」

ーパンッー
スタートした。優は…あそこだ!
なに探してるんだろう……ん?こっちくる…?
「美央!」
「え、?」
名前を呼ばれてすぐに私はグラウンドに連れ出された。
走ってる最中に彼は私に引いたカードを見せてくれた。
『好きな人』
そこには、はっきりとそう書かれていた。
「ゆ、う」
私が名前を呼ぶと彼は私に向かって今までで1番の笑顔を見せてくれた。

ドキンッーー

あぁ、私気づかされた。
私は彼に恋してる。
私は彼のことが好きなんだ。
ずっと隠してきた想いに気づかされた瞬間でした。